シュレーディンガー猫状態光パルスの量子テレポーテーションに成功!

久しぶりのプレスリリースは、物理工学専攻 古澤 明 教授の登場でした。
「Science」(4 月 15 日号)掲載の、画期的な成果といえるでしょう。

イメージビジュアルは、実験系を撮影したこちら。


実は、かなり前から準備していましたが、掲載号が決まりませんでした。
そして、東日本大震災が発生し・・


今回の記者会見も、古澤先生から、最初に、その旨の挨拶から始まりました。


東北関東大震災に被災された皆様へ
謹んで地震津波災害のお見舞いを申し上げます。


いらして下さった記者の方は、多くはありませんでしたが、
とても熱心に質問もしてくださいました。


会見は、「量子」の説明を丁寧にして下さるところからスタート。
でも、いつものように(?)途中から落ちこぼれました。。。


<プレスリリースの内容を一部抜粋して>
シュレーディンガーの猫とは、生きた猫と死んだ猫の重ね合わせの状態であり、
観測すると生きた猫か死んだ猫のどちらかになる。
本実験では、これを位相が反転した光の波動の重ね合わせとして実現した。
また、量子テレポーテーションでは、
量子もつれ状態にある 2 つの光ビームを生成し、
片方への測定がもう片方へ及ぶことを用いて、
シュレーディンガーの猫状態にある光パルスを伝送した。
つまり、重ね合わせの状態を保って伝送に成功した。


ここで重要なことは、シュレーディンガーの猫状態は
それを直接測定すると生きた猫か死んだ猫になってしまい、
重ね合わせの性質が失われてしまうが、
量子テレポーテーションでは、
送信者側の測定が間接測定になるため、
重ね合わせの性質を失わずに送ることができる。


つまり、量子テレポーテーションは、
測定により壊れてしまう重ね合わせ状態を送れる唯一の方法であり、
今回、これを目に見える形で実現に成功したことになる。


・・・うーん、難しいです。正直。


でも、これが実現できた背景には、
①光をゆがませず、速く、つまり波形がなまらずに届くこと、
②12mの距離に相当する伝送遅れを正確安定的に動作させること
といった、
実験の精度(光通信コンポーネントの進化)がベースにある
との説明に、とても納得しました。


プレスリリースの記事はこちらからご覧ください。