10月のプレスリリース

こんにちは。ご無沙汰しています。
というのも、プレスリリース、工学部紹介冊子の制作等、結構仕事が忙しく・・

今月のプレスリリースが何件かありますので、
ここでも紹介させていただきますね。

  • まずは、 化学生命工学専攻 上田宏准教授による

抗原に結合すると光る抗体の作製に成功 −モルヒネ・ヘロインなど各種分子の簡便迅速高感度な検出法開発へ−


1mL中に 10 億分の 1 グラムしかないモルヒネ・ヘロインなどの低分子化合物や
バイオマーカータンパク質など各種分子を
混ぜてその強度蛍光を測定するだけで簡便に検出できることを示した成果です。


免疫測定法としてのこの手法の利点としては、
1) 洗浄工程が不要で、少量のサンプルと混合して蛍光強度を測定するだけで測定が完了する極めて簡便な診断技術であること、
2) 抗体中に存在する保存性の高いトリプトファンを利用するため、抗体の種類を変えれば種々の物質の検出にも広く適用が可能な点で汎用性に優れていること、
3) 低分子化合物,ペプチド,高分子タンパク質といった多種類の抗原に対して適用可能であること、などがあげられます。


今後、本原理に基づく新しい検出・診断法や装置の開発が期待されるとのこと。

新聞や日経バイオテク等にも取り上げられました。
詳細は、以下をご覧ください。
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2011/100701.html 

  • また、同じく化学生命工学専攻の相田卓三教授からは、記者会見での発表も。

電子輸送層とホール輸送層の2つの分子グラフェンを接合
−飛躍的な高効率有機薄膜太陽電池の開発に期待−


電子とホールの輸送層を精度よく接合した1本の炭素ナノチューブは、
高効率な有機薄膜太陽電池にとって理想的な構造を実現したもので、
基礎と応用の両面で大きなインパクトを与えるもの、とのこと。


最近、「自己組織化」がキーワードの研究が多い気がしますね。
ナノレベルでの制御をしつつ、製造を視野に入れると、
自己組織化する素材がクローズアップされてくるということでしょうか。


相田先生のアクアマテリアル(7月のテクノサイエンスカフェのテーマでしたね)でも、
同様の分子制御技術が共通しているようです。
リリースの詳細はこちらからご覧ください。
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2011/102101.html


理化学研究所との共同研究では、
1) 技術の先鞭をつける
2) 技術のブラッシュアップをはかり、より効率化を狙う
の方向のうち、2は企業にゆだね、大学プロジェクトとしては1を追究する。
 その説明にも納得しました。


このScience掲載の研究成果が、
たくさんの研究者に引用される論文になりそうな予感がした記者会見でした。