建築家の想いを感じて・・


こんにちは。今日は、先日女子理工系進学情報誌の取材でご一緒した
建築学専攻 千葉学先生のお話をご紹介します。

千葉先生には、昨年、テクノサイエンスカフェにもご登場いただき、
本当にお世話になっています。
そして、今回も素敵なお話をうかがったので、ぜひ皆さまにも共有したいと思い
この記事を書いています。


ユニクロの事例も引きながら、
いま世の中で大切にされていることを感じとる。
すべてのことが建築に集大成されていくその考え方に、
とても魅力を感じました。


そして、テクノサイエンスカフェでもご紹介いただいた
トップの写真、日本盲導犬総合センターのお話。


先生の寄稿文をそのまま、掲載させて頂きます。


もともとオウム真理教の本部があったという忌まわしい歴史を持つ土地に、盲導犬を訓練するためのセンターを作る、それがこの建築が生み出された背景です。
そこで盲導犬の訓練をするというデリケートな環境をつくりながら、同時にそこを地域に開かれた場所としても計画することで、このセンターが地域の人たちにとっても親しみの持てる場所として生まれ変われることを目指して設計しました。
全体は、まるで一つの小さな集落のような佇まいをしています。この地域でごく普通に見られる牛舎や鶏舎にも似た素朴な小屋がいくつか集まって、それらが緩やかに回廊でつながれて全体ができています。このような緩やかなつながりを持ちながら相互に寄り添うような建築は、どこにいても、盲導犬を訓練する風景が垣間見えたり、また同時に富士山の麓という美しい風景が見え隠れするような、豊かな体験をもたらす空間となっています。
こうして日常的に多くの人が、ごく自然に訪れることのできる空間によって、この土地の価値を再発見し、また盲導犬を通じた福祉活動を深く理解していくことにつながればと願っています。


このほかにも、様々な魅力的な建築を次々に。




建築が、建物だけでない、そこに住まう人間関係や社会への影響もきちんと考えられている、
その建築家の想いに触れた貴重な時間でした。


千葉先生、これからも、素敵な建築を期待しています。