第4回工学体験ラボ・セミナー編

 先週の土曜日に開催された工学体験ラボのレポートを少しずつお伝えしていきますね。まずは、最初は講師の大久保達也教授・加藤隆史教授・幾原雄一教授のおはなしから始まりました。事前に大久保先生曰く「僕がナノテクの全体像の話から無機系のナノマテリアルのことを、そして加藤先生が有機系のナノマテリアルのことを話します。そして、幾原先生が測定という観点から横から串で刺す、ってイメージかな」とおっしゃったとおり、そのような流れのセミナーとなりました。
 まずは、大久保先生。「ナノテクノロジーナノマテリアル」大枠の話から、ゼオライトのことまで。

大久保先生が手に持っているのは懐かしのフロッピー。10年位前まではこのメディアが主流だったんですよね〜。しかも、今考えてみたらこれは1メガしか容量が入らない! 「小さいもの」を扱う技術が発達したおかげで、携帯電話に入るようなSDカードにもギガバイト単位で情報が取り込めるようになった、と。ところで、高校生の皆さまはフロッピーという代物はご存知なのでしょうか?

そして加藤先生のお話。有機系のナノマテリアル、その中でも私たちの生活に密着している液晶を中心にセミナーをしてくださいました。固体・液体・気体と3種の状態があるけれども、液晶は「第4の状態だ」と。そして、前日・当日にスタッフの皆さまが頑張って準備して下さった「液晶が温度によって他の状態に転移する状態」の顕微鏡からの映像も披露!

最後は、幾原先生が「小さいものを測る」電子顕微鏡のお話を。後ろのスライドに、なんだか懐かしい「面心立方構造」とか「六方最密構造」なんて用語が見えますね。ナノメートルは10億分の1メートル。原子の大きさはだいたい0.1ナノメートルのオーダーなので、それだけの分解能を持つ顕微鏡があって、それを測定するワザがあるからこそ、ナノの世界を解明することができるのです。
【おまけ】

「どんな高校生でしたか」「勉強の中だるみをどう乗り切りましたか」「どうして東大教授になったのですか」という参加者の方からのキビシイ質問に困りながら答えをひねり出す三先生方。