「私だけの」授業リスト・MIMAサーチ

 東京大学ではUTオープンコースウェアという教員の講義資料を無償で公開しているサイトがあります。その公開された東大の講義資料だけでなく、MIT(マサチューセッツ工科大学)のオープンコースウェアでも公開されているシラバスの「関係を構造化して可視化することができる」システム、MIMA Searchというのもあるのです。
 このMIMAサーチですが、工学系研究科の工学教育推進機構/技術経営戦略学専攻美馬秀樹准教授が開発されたもの。"MIMA"の由来は美馬准教授のお名前だとずーーーっと思い込んでいましたが、

MIMA SearchのMIMAはMeta-Information Mining Accelerationの略で、ここでのMeta-Information Miningとは、単なる個々の情報だけではなく、情報間の意味的な関連に基づいてマイニング(探索)を行うことを意味します。

……だそうです。たった今知って衝撃を受けている私。もちろん、先生のお名前にかけて命名したのでしょうが、さすがです。
 さすがなのは「命名」だけじゃありません。まず、とにかく試してみてください〜。工学部・工学系研究科のほうが公開しているシラバスが充実しているので、こちらで遊んでみたほうが楽しいと思います。

MIMASearchシラバス構造化システム

 例えば「遺伝」と入力してみましょう。結果はこんな感じになります。

入力した結果に近い授業ほど近い位置に、類似度が高い授業ほど結ぶ線も太くなって可視化された結果が出てきます。そして、○で表示されたものをダブルクリックすると、その授業の詳細が出てくるのです*1
一見「遺伝」とは関係なさそうな授業でもこれだけ出てくるのが(しかも、工学系の授業だけで!)面白いですよね。関連がないようで、あるんですよ〜。それだけ今の学問はフクザツになっているともいえます。

 これ、授業を選択しようとする学生にとって有用なツールですよね。私のいた頃にも欲しかった! だったらもっと真面目に授業選びをして、出席していたかもしれないのに……(ほんとか?)
 でも、学生じゃない「この分野についてお勉強してみたいな」と思った人にもお役立ちのツールじゃないでしょうか。何かに興味を持っても、どこから手をつけたらよいかわからない、ってケースは多々あると思います。そんな人たちにもぜひ使っていただけたら。

 ちなみに、私が今興味のある「科学技術コミュニケーション」をキーワードにしてみたら

わわっ! こんなに出てきた〜。工学系だけで……と、目まいがするダメダメな私。……いえ、学生の身分でなくなった人たちにとってもありがたーいツールであることはよくわかりました。
 他にも「トピックマップ」や「カテゴリー表示」などの機能が用意されています。とにかく、キーワード入れて検索するだけでも楽しいので、ぜひぜひ試してみてください。「こんな学問とも繋がりがあるの?」という意外な発見があったり、アナタの新しい世界が広がるかもしれません。

*1:ブラウザのポップアップを許可しておいてください。