マイクロデバイス

 先日お子さまに人気のデバイスとして紹介したT lounge(工学部広報スペース)の展示物。こちらの研究について少しだけ詳しく説明させていただきますね。

 本郷キャンパスの浅野地区に、武田計測先端知財団のご寄付で建設された武田先端知ビルと格好良い施設があります*1。そこに、山の手線内で唯一の「クラス1規格」の最高級クリーンルーム、世界一の機能を誇る「電子線描画装置」などがあります。とにかくすごいところのようです。ああ、私も見学させてもらいたい!

 で、T loungeに置いてあるのが、その「すごいところ」先端知機能材料デバイスラボラトリーズで作った「MEMS光スイッチ*2」の見本です。それがお子さまたちに大人気で、気軽に遊べる実験できるってところがまた面白いと思いません?

 MEMS加工という言葉は、読者の皆様の中には聞きなれた方もいるかと思いますが、初耳の方も多いでしょう。もちろん私は後者(というわけで、あれこれ勉強してみましたよ〜)。MEMSという技術自体はWikipediaの解説を見てくださればおわかりの通り、そう新しいものではありません。でも、ここ20年で発展して、半導体を髪の毛よりも細かく加工できるようになりました。
 T loungeで展示されている光スイッチ(の見本)は、もともとスイスで開発されたもの。でも三田吉郎准教授*3はそれをMEMS加工の新しい原理「ARDSA」と「輪郭描画法」という新しい加工法を使って、性能を倍にしたものです。これらについてはまた改めてキーワード化しますね。

 はー、これ書くの難しくて大変でした……って、ぼやいている場合じゃないですね←広報担当者! しつこいけど、そんなデバイスがお子さまに大人気、ってところがやはり楽しいな、なんて。

*1:写真などはこちらにて。

*2:光ファイバ通信の経路切替えに使う。

*3:先生のプロフィールにある「サバイバルフランス語(夫婦喧嘩に勝てる程度)」というのが興味津々……な、下世話な私。