手のひらサイズの超小型人工衛星

 もうT loungeの展示物の紹介は全部終わったかなーと思っていたら、なんとなんと中須賀研究室の超小型人工衛星"XI(サイ)"の紹介がまだでした。中須賀真一教授のガンオタ話(筋金入り&社会的オタク)をupしたので、すっかり書いたつもりになっていました。ダメすぎです。しかも思い出したきっかけというのが(ずいぶん前になりますが)スラッシュドット ジャパン | 自作のスプートニクを打ち上げてみませんか?だというのだから、我ながらなんというか(これで巡回先のサイトの傾向もわかるってもの)。

 この中須賀研究室の"XI"は、CubeSatキューブサット)というプロジェクトのもとで作られた人工衛星です。このプロジェクトは、日米の大学のシンポジウムで提案された「一定の規格に沿った人工衛星を作ろう!」というもの。その規格とは、サイズが1辺10cm、重量は最大1kg。まさに手のひらサイズ。小さくすると、人工衛星の打ち上げ費用が安価になるのです。しかも、世界各地の大学や宇宙機関が参加して、競い合って研究していて、何個かまとめて打ち上げているのでますますお得。

 そして、中須賀研では撮影した画像を無料で配信するさいめーるステーションというサービスもしています。夢があっていいですよね。メールで宇宙からの画像が送られてくるなんて。

 このCubeSatプロジェクトは、学生が中心となって人工衛星の設計〜製造〜運用まで携わっています。これもすごい話。それに、関わる学生さんたちは大変ながらもやりがいのあることでしょうね。実は、この「学生が中心となって」というプロジェクトとして、CubeSat以前にCanSatカンサット)というものがありました。これは、空き缶(350ml)サイズに人工衛星の機能を詰め込んで打ち上げる、というもの。プロジェクト概要はこちら中須賀研究室で作られたものをご覧ください。最後にある「資金源:クッキー等の該当販売(!?)」というに思わず注目してしまう私でありました。

 ちなみに、CubeSatCanSat両者の取り組みは、それぞれ書籍になっています。うかつなことに、私はまだ未読。きっと試行錯誤の青春ドラマが描かれているんでしょうね〜。特に、後者はアマゾンのカスタマーレビューの評価も高い。読まなきゃ!

キューブサット物語~超小型手作り衛星、宇宙へ

キューブサット物語~超小型手作り衛星、宇宙へ

上がれ! 空き缶衛星

上がれ! 空き缶衛星

 CanSatプロジェクトの1999年は、中須賀研は「なっちゃん」の空き缶を使ったんですね。かわいい! このルックスの中身に人工衛星の機能が、というギャップが素敵です。

 先日、中須賀先生に伺ったお話も印象的。「CanSatCubeSatも発想自体は、日本から生まれなくて、いつもアメリカなんだよね。思いつかないのが悔しい。でも『小さいところに機能を詰め込む』のは日本の方が得意。他の国では5つの機能のところ、8つできるのが日本」と。