金コロイド・プラズモン吸収


 さて、突然ですが質問です。「金は何色でしょう?」金だから金色、という答えが普通だと思うのですが、金はナノ微粒子のコロイド状態*1になると、プラズモン吸収という現象がおきて、鮮やかな赤い色となるのです。実は、この「赤い金色」は古くから実用化されていて、ステンドグラスや、ガラスや陶器の赤い色に使われていたんですね(それまで知りませんでした、私……)。今回の工学体験ラボでは、この金コロイドを使った実験をしました。こちらは化学システム工学科の大久保教授担当分。
 金コロイドは、その粒子の大きさによって発色する色が異なります。直径10nm(ナノメートル)だと赤色ですが、10nmと75nmの中間では青色、75nmで黒色、100nmで(普通の)金色になるのです。
 この大久保先生が手に持っているのが赤い金コロイド。この赤い金コロイドを石英ガラス板に塗って、加熱すると粒子が凝集して大きい直径の粒子になります。すると、キラキラの金文字になるのです! 右の写真は「T lab」と書いて作ってもらったもの。嬉しい〜。

 ちなみにこの技術は、プリンタで基盤を印刷することなどに応用されているとか。これ、家庭用プリンタにも使われるようになったら、キラキラの印刷が自由自在? 古くて新しい金コロイド技術、なのでした。

 今回、プラズモン吸収を新しくはてなキーワードに作りました。

*1:コロイドとは溶媒中に溶質が分散した状態。「溶けていない」ので溶液の状態とは異なる。