東京大学博物館企画への協力 : 森山大道氏とのコラボ


今月は、森山大道氏と博物館のコラボ企画で、
工学部の写真を撮影した様子をレポート。


あの、モノクロの写真で有名な森山大道氏と
東京大学博物館のコラボ企画で、
来年展示会を企画しているとのこと。


実はお話を受けたのはほぼ1年前。
そのあと、全く連絡がなかったので、
流れてしまったのかと思っていたら・・・
 9月になってから突然復活。
 
 
あわてて、皆さんに協力を依頼して、
9月14日に実現した工学部撮影ツアー。


森山氏を撮影するカメラの方がいらっしゃって、
企画そのものを写真におさめていらっしゃいました。
そして、それを撮影する私・・
 という、入れ子状態。





動揺水槽から始まり、
建築の図書館や製図室、
航空のエンジン・風洞、ロボット、高電圧実験装置と、盛りだくさん。


森山氏は次々に精力的に、写真を撮影されていました。
1か所に掛ける時間は、10分ー15分くらい。
今回の撮影は、デジカメではなく、
フィルムで撮影されていました。
(途中でフィルムが足りなくなったくらい・・・)


その日の気分で、デジカメか、フィルムか、使い分けていらっしゃるんですって。


アシスタントの方がおっしゃっていましたが、
この何気ない撮影から、スゴイ作品ができあがるそう。
 本当に、ライトも、レフ板も、機材もほとんどなく、
 コンパクトなカメラでの撮影だけでした。


展示会は1年くらい後になるそうですが、
楽しみに待っていてくださいね。

オープンキャンパス2012


もう8月も終わりになろうとしていますが、
やっと今月のブログ更新です。
幾つかあったけれど、
やっぱりオープンキャンパスの話題を書きたいと思います。


工学部は、今年は事前登録で
午前中1回目の研究室見学の申し込みを受け付けました。
それでも、受付スタート時の列は相変わらず。。
 皆様には、お暑い中、お疲れさまでした。


今年は、全部の学科にご協力を頂いての企画を実施。
工学部全体での公式受付数字は 1509名。
(でも、きっと模擬講義とか、全体受付を通っていらっしゃらない方もありそう)


学生さんと話す学生だんわ室にも、
参加者は途絶えることなくいらしてくださいました。
 (対応してくれた、大学生のサポーターさん、ありがとう)


過去の動画を流していた広報ラウンジにも
ずいぶん沢山の方がいらして、ひと時を楽しんで下さったようです。


先生方にご協力をお願いした模擬講義では、
立ち見がでるくらいの熱心な学生さんたち、
地方から来て下さった方も多く、
大きなカバンやリュックの方もたくさんいらっしゃいました。



とても熱心な学生さんの質問に、
原子力見える化する」の講義は
先生のご講演が終わってからも1時間以上続きました。


「理系女子のススメ 〜工学部ガールって?」の企画にも、
50名以上の方に参加いただき、
パネルディスカッションや、
山崎直子さんのビデオメッセージなどに、
工学部の新しい魅力を感じてくださったようでした。



小中高生向けテクノサイエンスカフェでも
一般の方向け企画を開催しています。
オープンキャンパスはもちろん、
色々なところで、工学の魅力をお伝えしていきたいと思いますので、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

建築家の想いを感じて・・


こんにちは。今日は、先日女子理工系進学情報誌の取材でご一緒した
建築学専攻 千葉学先生のお話をご紹介します。

千葉先生には、昨年、テクノサイエンスカフェにもご登場いただき、
本当にお世話になっています。
そして、今回も素敵なお話をうかがったので、ぜひ皆さまにも共有したいと思い
この記事を書いています。


ユニクロの事例も引きながら、
いま世の中で大切にされていることを感じとる。
すべてのことが建築に集大成されていくその考え方に、
とても魅力を感じました。


そして、テクノサイエンスカフェでもご紹介いただいた
トップの写真、日本盲導犬総合センターのお話。


先生の寄稿文をそのまま、掲載させて頂きます。


もともとオウム真理教の本部があったという忌まわしい歴史を持つ土地に、盲導犬を訓練するためのセンターを作る、それがこの建築が生み出された背景です。
そこで盲導犬の訓練をするというデリケートな環境をつくりながら、同時にそこを地域に開かれた場所としても計画することで、このセンターが地域の人たちにとっても親しみの持てる場所として生まれ変われることを目指して設計しました。
全体は、まるで一つの小さな集落のような佇まいをしています。この地域でごく普通に見られる牛舎や鶏舎にも似た素朴な小屋がいくつか集まって、それらが緩やかに回廊でつながれて全体ができています。このような緩やかなつながりを持ちながら相互に寄り添うような建築は、どこにいても、盲導犬を訓練する風景が垣間見えたり、また同時に富士山の麓という美しい風景が見え隠れするような、豊かな体験をもたらす空間となっています。
こうして日常的に多くの人が、ごく自然に訪れることのできる空間によって、この土地の価値を再発見し、また盲導犬を通じた福祉活動を深く理解していくことにつながればと願っています。


このほかにも、様々な魅力的な建築を次々に。




建築が、建物だけでない、そこに住まう人間関係や社会への影響もきちんと考えられている、
その建築家の想いに触れた貴重な時間でした。


千葉先生、これからも、素敵な建築を期待しています。

失われた電子スピンが、実は保存されていたことを発見!!

今日は、6月15日にオンライン公開となったプレスリリースの紹介です。
理化学研究所強相関量子科学グループ杉本 直之特別研究員と東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻永長 直人教授の成果で、
Scienceに掲載となりました。


公開に先立ち、記事化促進のためにプレスリリース、記者会見を
6月12日に、文部科学省の記者会室にておこないました。
 私も初めて、文部科学省の記者会室に入りました。
 受付や、警備がものものしく、ちょっとびっくり・・


永長先生がまとめてくださった内容は、工学部のHPにも掲載していますが、こんな感じ。


従来、半導体中の電子は、電子の軌道運動とスピン運動が影響しあうスピン軌道相互作用の下、固体中の不純物などの衝突によってスピンの向き(スピン情報)が消失してしまうと考えられており、スピントロニクスバイスの実用化への重大な問題でした。
研究チームは、スピン軌道相互作用を一般化された磁場の概念を用いて表現し、スピンに関する保存則を導出しました。この結果、消失した電子スピンの情報は「隠れた保存量」に記録されている可能性があることを見いだしました。これをコンピューターで調べたところ、初めにあったスピン情報は、理論の通りに保存されていることを確認しました。また、このスピン情報はスピン軌道相互作用を弱くすると、穏やかに元のスピンに戻り復元できることも数値的に確認しました。
この成果は、スピントロニクスバイスの実用化のための問題解決につながり、従来のエレクトロニクスの限界を超えた新デバイスの創出につながります。


http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/2012061501.html

本研究については、理研のHP 「60秒でわかるプレスリリース」にも分かりやすく説明されています。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/120615/index.html
  60秒でわかる、って、なかなかいいフレーズですよね!!


さて、研究の内容もとても面白いのですが、
記者会見のこぼれ話が私にはとても印象的でした。


この研究は、現在は理化学研究所強相関量子科学グループに所属する杉本 直之特別研究員が、
5年ほど前に、ドクターの学生だった頃に計算した結果だったそうです。
初めは、永長先生も信じられなかったとか。
 でも、議論するうちこれは・・という発見を理解されたそう。


手計算で発見、そしてコンピュータ計算で検証。
サイエンス誌に投稿した後、認められるまでに2年かかったそうです。
 

その間に、杉本さんは、法科大学院への進学をされたり、
その研究人生も紆余曲折。
 永長先生の勧めもあって、今は理研で研究を継続しているとのこと。


永長先生は、終始、杉本さんの成果、ということを強調されていたのも記憶に残っています。
研究者として、そして、教育者として・・


基礎研究の幅を広げる先生方もたくさん、工学部にいらっしゃいます。
その成果の積み重ねを大切に伝えたい。
 広報の大事な役目だと思っています。

 ミライノ学科 卒業生誕生!!

こんにちは。
3月に実施したテクノサイエンスカフェに参加してくれた方のうち
2名の方が5回目の参加となり、
配布していた「ミライノ学科 学生証」裏面のスタンプを
見事5つ揃えて、学科修了となりました。


皆さまに配布している学生証は、このようなイメージです。
裏面のスタンプを参加ごとに1つ押していきます。


遅くなりましたが、
その卒業論文(?)として、感想文を書いて頂きましたので、
このブログにも掲載したいと思います。


まずは、小学4年 押久保 秀英君です。


 テクノサイエンスカフェではいろいろなことを教えてもらいました。ぼくの質問でも、わかりやすく説明してくれます。話の中では実物を見たりさわったり、スライド、クイズもありたいくつしません。
クイズに当たるとプレゼントがもらえるので燃えます!
 大学の中は広くて、お店もあります。いろいろな形の建物が建っていて おもしろいです。
 建築科で見た建物もけい。お兄さんたちがパーツを手作りしてました。ぼくはプラモデルが好きなので、見ていておどろきました。
 工学部では大型フライトシュミレーターのそうじゅうをしました。そうじゅうや飛ぶ仕組みの話はおもしろく、大学は絶対工学部に行きたいと思いました。
 大学生のお兄さん達と友達みたいに話ができることはうれしいです。(先生は学校にもいるので)
 授業の前に学食でお昼を食べたりできるのも楽しみで参加しています。これからもよろしくお願いします。


そして、中学1年 山内 聖陽君 です。


 サイエンスカフェで強く印象に残ったことが3つあります。
 1つめは、最新ジェット機のシミュレーター操作です。1分間しか操縦できませんでしたが、パイロットがどのように操縦するかよくわかりました。1分間は短くもっと長く操縦したかったです。
 2つめは、ジェットエンジンの音についてです。普通のジェットエンジンの音はとてもうるさいのですが、東大で開発した技術を使うと非常に静かになるので、驚きました。
 3つめは、超小型衛星サイフォーについてです。サイフォーは秋葉原で購入できる部品でできていて、環境が厳しい宇宙空間でも稼動していることにとても驚きました。
 他にも建築や人体についてのお話があり、とても面白かったです。
 東大は面白いところなので、東大で勉強できるようになりたいです。


中学や高校の授業でも、「工学」を学ぶ機会はあまりなく、
「物理」や「化学」などに比べて、
「工学」を知ってもらうことが難しいと思っています。


ですから、こんな風に、楽しんでもらえたらとてもうれしい!!
 テクノサイエンスカフェを開催していてよかった、と思えました。
この感想文は、工学部HP テクノサイエンスカフェのところにも掲載しています。
 http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/for_prep/t_lab.html

今後、たくさんの卒業生が感想文を寄せてくださることも期待しています。


また、広報室では、今後もみなさまに楽しく、
工学の魅力に触れていただける企画をご提供したい、
と思っていますので、
どうぞよろしくお願いいたします。


7月7日には、「先進医療に挑む工学」を予定。
また、7月末頃には、昨年同様の「学生さんによる企画」も計画中。
 工学部HPのイベント情報に、詳細決まりましたらまたご案内します。
 どうぞお楽しみに!!

2012年3月31日に開催した「旅客機の最新技術」ご報告です。

新学期の忙しさにかまけて、
ご報告がすっかり遅れましてすみません。


前回のテクノサイエンスカフェ
 見て触れてナットク! 「旅客機の最新技術」
最新の旅客機の技術の解説に加えて、
飛行機の基礎となる技術を網羅した研究室見学。
 学生が48名、保護者を含めて90名の参加となりました。
 悪天候で電車が止まり、途中からタクシーで来学された方もいらっしゃいました。


航空宇宙工学科の全面的な協力体制、
また国際工学教育推進機構の工学理解促進プロジェクトに関わる
学生TA(ティーチングアシスタント)の面々にも参加いただき、
充実した企画となりました。


熱気に包まれた講義の様子です。

講演の鈴木先生は、
クイズとして参加者を巻き込みながら、
双方向にコミュニケーションをとられていました。


小学生も、とっても飛行機に詳しくて、こちらもタジタジ。
若い世代をとても頼もしく感じたひと時でした。


以下、研究室見学の様子です。


李家・今村研究室では、空力・煙風洞実験を実演。


青木・横関研究室では、最新旅客機に使われている
CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)
の強度試験を観察。
 繊維が徐々に切れていく、「ピキピキ」という音を実感しました。


渡辺・姫野研究室では、
風船と扇風機を使った作用・反作用の実験に加えて、
静かなジェットエンジンを目指した
「マイクロジェット噴射」の効果を実感。
実験のための、「無響室」にも実際に、はいってみました。



787を模擬したフライトシミュレーション、
全員の学生さんに経験頂くために、
お一人の時間はとても短かったけれど、
飛行機の操縦の体験はどうだったでしょうか?


今回で、6回目となったテクノサイエンスカフェ
リピーターも多く、5回目の方も2人いらっしゃいました。


次回は、7月に「先進医療に挑む工学」を計画中。
6月上旬にはご案内を開始する予定です。
 また、お楽しみに!!

Tlounge りニューアルのお知らせです!!

本郷キャンパス工学部11号館1Fには、工学部の広報スペースTloungeがあります。
隣接するスターバックスのコーヒーを片手に
このスペースで語らう学生さん、一般の方がいらっしゃいます。

節電の関係もあり、今は大画面プロジェクターでの動画上映はストップしていますが、
新しいコンテンツで、新年度に再開したいと検討中です。


さて、今月から、工学の魅力をお伝えする展示物に、
建築学科の作品が加わりました。


木のチップを素材にしたような、
組み立てられるテーブルにはキャスターが付いていて、
動かせるようになっています。


くぼみ部分は、椅子として活用して頂くように設計され、
展示物のない上面スペースは、テーブルとして利用できるそうです。
 ◇このテーブル自体が、建築学科の先生のデザインです!!◇


 感想などをお書き頂くためのノートもご用意。


学生さんの作品は、一定期間で入れ替わるとのこと。
 今回の展示物も4月半ばには新しいものに・・


その他、新しい展示物や動画が順次登場予定です。
 もちろん、Ttime!他、工学部制作の冊子等もこちらで配布しております。


みなさんのお越しをお待ちしています。
今週末の東大テクノサイエンスカフェ「旅客機の最新技術」も最初の講演は11号館講堂からスタート。
 (ごめんなさい、定員になってしまったので、今回参加できない方は次回に)


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。